2017年9月24日開催
平成29年度『遺伝・染色体のこと 知って 話して 理解し合う交流会』
~まずは集まることから始めませんか?~
2017年11月17日情報更新
※佐賀新聞(2017年11月17日 朝刊)に今回の交流会の記事が掲載されました!
http://www.saga-s.co.jp/articles/-/149748
9月24日に唐津市保健センターにて、佐賀県内の染色体や遺伝子に変化のあるお子さんとそのご家族。そして支援に携わる関係機関(医療者、行政福祉、保健師、支援者など)、さらには保育ボランティアの方々にお集まりいただき
記念すべき「第1回唐津交流会」を無事開催することができました。(今年度はあと2回開催予定です)
開催日時:2017年9月24日(日)13:00~16:00
開催場所:唐津市保健センター(2階 いきいきホール)
◆第1回目交流会チラシ
<先行配布版>170903_H29年度県内交流会チラシ(H29年度佐賀CSOさいこう事業)
◆第1回目交流会ボランティア募集チラシ
<確定版>170906_保育ボランティア募集チラシ(170924唐津交流会)
①経緯
1q部分重複症候群患者家族会(ひとやすみの会)が立ち上がって3年目を迎えることができました。これまで出会うことができなかった全国ばらばらに住む患者ご家族と実際に会って、辛かったこと、困ったこと、嬉しかったことなどを共有する全国交流会をメイン行事として活動してきました。また学会参加での医療関係者や他疾患の患者家族の方々と出会うなかで、
「年齢・地域・環境・疾患種類(遺伝子や染色体に変化がある)・重症度に関わらず、困りごとの本質は共通することが少なくないのではないか?」
「『遺伝・染色体』は難しい、よくわからない、とみんな(当事者家族も含めて)敬遠しがちなのではないか??」
「ズバり!『遺伝・染色体』についての正しい理解と共通認識をみんなで得ることが何よりも一番重要なことなのではないか???」
という思いを抱くようになりました。そこで今回、佐賀県内におられる遺伝子や染色体に変化がある患者ご家族と医療者をはじめとする関係機関の方々と、一緒に集まってお話をする場を企画しました。1回、2回で何かが変わるわけではありませんが、このような場があり続けることに意味があり、少しずつでも経験的にみんなで一緒に理解していければと思っています。
そして、1q重複のご家族に限らず、他の疾患のご家族にとっても、関わる周囲の方々にとっても、それぞれの地域で「誰もが幸せになれる 優しい社会」を創る方法のひとつとなり。それが佐賀から発信できたら嬉しいです。
※この事業は『平成29年度佐賀C S O さ い こ う 事 業 ( チ ャ レ ン ジ 型 ) 補 助 事 業』として採択されました。
②交流会内容
当初予想していた20名の参加人数を大きく上回る総勢44名の方々にご参加いただきました。
患者家族=8家族22名(疾患名:1qテトラソミー、4p-、13トリソミー、ダウン症候群、FOP、先天性脊椎骨端異形性症、原因不明)。
医療関係者=4名(みさかえの園 むつみの家 近藤達郎先生、佐賀県小児科医会会長 島田興人先生、佐賀大学医学部小児科 田代克弥先生、佐賀大学医学部看護学科 鈴木智惠子先生)
唐津保健福祉事務所=4名
唐津市保健センター=3名
佐賀県こども家庭課=1名
玄海町役場=1名
保育ボランティア=7名(佐賀大学医学部看護学生さん、リノラサポーターさん、伊万里市役所職員さん、難病サポーターズクラブさん)
バンビの会(染色体障害児・者を支える会)=1名
佐賀未来創造基金=1名
③開会
総合司会の佐賀未来創造基金の山本さんのおかげで、終始和やかにバランスよく進行していただくことができました。
はじめのことばを幸(ひとやすみの会)からお話しさせていただき、この交流会の主旨や経緯をお話しさせていただきました。
松尾さま(唐津保健福祉事務所)から、唐津保健福祉事務所の取り組みや小児慢性特定医疾病などについての制度のお話しをしていただきました。
※今回の唐津交流会は、唐津保健福祉事務所さんと「共催」させていただき、唐津市保健センターさんとも連携して会場提供や当日の設営・運営補助など全面的なご協力をいただきました。本当にありがとうございました。
④座談会①(参加者全員で感情「辛かったこと」「困ったこと」「嬉しかったこと」の共有)
山本さん(佐賀未来創造基金)がファシリテーターとして、
付箋紙を利用した「辛かったこと」「困ったこと」「嬉しかったこと」の思いの洗い出し作業をしていただきました。
その後、参加者全員でそれぞれの思いを見える化していただきました。
グループ分けされたそれぞれの思いについて、参加者皆さんより、それぞれの立場でご意見を聞くことができました。
短い時間のなか、立場の違う皆さんの思いをスムーズに引き出していただけた、山本さんんのファシリテーション力に感激しました!ありがとうございました!!
⑤特別講話(みさかえの園 近藤達郎先生)
患者家族の思いに寄り添った近藤先生のお言葉に、思わず目頭が熱くなりました。
「人間が持つ21,000個ある遺伝子のなかで、誰でも300~500個は異常を持っていること」
⇒個性なのか、重篤な疾患なのかは多様性がある。
「実は誰もが(染色体異常)を経験しており、身近なものであるが、そのほとんどは生まれてくることができないこと」
⇒母体環境が良かったから生まれてくることができた事実。
「幸せを感じる能力や強く生きてく力は、普段の生活(子育て、介護)の中で鍛われること」
⇒単に症状の重い軽いで、家族の幸せ度合いが決まるものではないこと。
最後に近藤先生が仰られたことば・・・
「佐賀県が日本一の福祉県と呼ばれることを祈念しています」
会場からは「もっと話を聞きたい」との声が多く挙がっていました。是非また講話をお願いいたします。お忙しいなかご都合つけてお越しいただき本当にありがとうございました。そしてわざわざ長崎から一緒にご同行いただいたバンビの会の川口副会長にも大変お世話になりました。
⑤サプライズ(近藤先生 保健文化賞受賞のお祝い)
保健文化賞とは?
1950年創設。保健医療や高齢者・障害者の保健福祉、少子化対策などで顕著な実績をのこした団体、個人に贈られる。この分野では国内で最も権威さる賞とされ、
受賞者は例年、贈呈式(2017年10月12日)の翌日に皇居で天皇皇后両陛下と面会する。授賞式の様子はこちらより。
いつもお世話になっている、ひとやすみの会のメンバーより記念品をプレゼントさせていただきました。おめでとうございました!
⑥佐賀大学 小児科 田代克弥先生、みさかえの園 近藤達郎先生ご退席
今回、佐賀県内で交流会を開催するにあたり、佐賀大学小児科 松尾宗明先生、田代克弥先生のご理解とご協力をいただき
「できることから一緒にやっていきましょう」
とありがたいお言葉をいただいております。
田代先生は息子(そうた)の成長の過程で、いつも一緒に悩んで考えていただける先生です。お忙しいなか本当にありがとうございました。
⑦座談会②(感情の深堀り)
さらに踏み込んだ思い・感情の深掘りをしました。
参加者皆さまからたくさんのご意見をいただきました。
⑧参加者全員からの感想
参加者皆さまから、今回の交流会に参加してのご意見を伺いました。
保育ボランティアの皆さまからも、子供たちと一緒に遊んだ感想いただきました!
学生さんからは、「例え声は出せなくても、コミュニケーションが取れることを学びました」との感想をいただきました。
⑨佐賀県小児科医会 会長 島田興人先生からのお言葉
島田先生からは、本日の総括と、お医者さんの考え方などをお話しいただきました。「そうだったんだ!」という会場からの声が挙がり。患者家族と医療者との関わり方について勉強になりました。
「お医者さんは知らないものに関しては、必死に調べようとする!」
「だから時間はかかるかもしれないけども、一緒に考えていきましょう!!」
勇気をいただきました。本日は最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
⑩さいごのあいさつ
次回以降の交流会11月25日(佐賀市青少年センター)と2月4日(佐賀大学医学部)のご案内をさせていただきました。
今回の唐津交流会開催に向けて、後方支援として、唐津保健福祉事務所の皆さま、唐津市保健センターの皆さま、佐賀県こども家庭課の皆さま、佐賀未来創造基金の皆さま、保育ボランティアの皆さま、ご参加できなかったけれどもたくさんのご支援をいただいた皆さま方に心から感謝申し上げます。
そして、ご参加いただいた皆さま 本当にお疲れさまでした! 次は佐賀市でお会いしましょう!!