本日(2015年7月26日)横浜で開催されました「第38回日本小児遺伝学会学術集会」に参加してきました。
長崎大学の渡辺聡先生が「日本における1q部分重複症候群26例の検討」と題して今回の全国調査で判明したことを医学的(遺伝学的)視点で詳しく発表していただきました。
2月に発刊された「1q部分重複症候群 健康ガイドライン」に載っていない最新の情報としては、
・臨床症状として精神運動発達遅延、突出した額、眼裂斜下、眼間解離、耳介異常、小顎、心疾患などが多くみられたこと
・特に眼裂斜下と眼裂解離はOMIMの遺伝子レベルの疾患と同じであったこと
・しかし1q部分重複症候群に特異的な症状は確認できなかったこと
・1q部分テトラソミーは世界初であったこと
・従来検査方法(Gバンドなど)と同時にマイクロアレイ検査法を行うことは有用であること
・成人した患者情報は過去にも殆どないので生活歴などを今後調査していく必要があること 等々
最後に渡辺先生から、今回の研究が佐賀県難病支援ネットワーク、佐賀未来創造基金、ワーキンググループによりなされ、市民から寄付を募り、最終的にガイドラインと1qトリソミーの部屋(ホームページ)を作れたことを画像付きで紹介していただきました。
今回は家族会ブースが無かったのでガイドラインを置かせてもらうことは出来ませんでしたが、渡辺先生より多くの先生方へ今回の研究内容とガイドラインと家族会とホームページとプロジェクトの成り立ち(寄付によるもの)を説明していただいたのが嬉しかったです。
内容に関しましては、正直かなり専門的&かけあしでの説明(10分ほどの発表時間)でメモとることもままならなかったので、あらためて渡辺先生へ伺って展開いたします。
発表後に渡辺先生、近藤先生、清水先生と少しお話させていただきました。次の家族会について本格的に動いていこうと考えていることなどをご連絡いたしました。
また読売新聞の小澤記者、林記者も取材にこられておりましたので、近況をお話させていただきました。
皆さまお忙しいところ本当にありがとうございました。
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今回の学会参加の旅費等の費用は「1qトリソミー基金」へ助成申請し採択されております。
その事業内容は
①この研究発表内容をホームページを通し、家族会メンバーそしてこの情報を必要とする方々へ提供すること。
②学会参加のワーキンググループの先生方との情報交換をすること。
③他の先生方へ1q部分重複症候群と家族会のことを知って頂くように啓発活動をしてくること。
を事業内容としております。
1qトリソミー基金へご支援いただいた皆さまへも感謝申し上げます。
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