★染色体検査とアレイ検査の違いについて

中間報告書でも報告しましたが、これまで「1qトリソミー」だと思っていた息子の診断が、今回寄付を頂いてのプロジェクトで “アレイ検査” を受けたところ「1qテトラソミー」だということが判明しました。

http://1qtrisomy.sakura.ne.jp/main/?p=1414

この件(染色体検査とアレイ検査の違い)について以前、近藤先生とお話した内容をまとめましたので、ご報告いたします。(この内容はアレイ検査の結果を知る前のお話しです) 少し難しい内容ですが、興味のある方はご一読ください。

※誤解をまねくといけませんので付け加えます。今回のアレイ検査はみさかえの園 近藤先生にお願いしましたが、染色体検査は別の医療機関で数年前に実施しました。

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【染色体検査について】
染色体検査は「Gバンド分染法(ギムザ染色)」といものが一般的な手法だそうです。
≪近藤先生の解説≫
Gバンド分染法は染色体の大きさ及びバンドパターンで判断するものです。
基本的にバンド(スジ)のパターンで決めていくので、非常に漠然としています(ある程度大きくないと、バンドパターンを確認しづらいので難しいかもですね)。
≪幸と近藤先生のQ&A≫
Q1.Gバンド分染法は、人の目により(顕微鏡)バンドパターンの確認をして異常(欠損、重複など)を判断する方法で宜しいでしょうか?

A1.プレパラート上の染色体を顕微鏡下で写真をとり、それを解析します。おっしゃる通りです。

Q2.Gバンド分染法とアレイ検査の精度(解像度や分解能力など)の差はどれくらいあるのでしょうか?

A2.ギムザ染色でのバンドの数は通常350-550、高精度分染で850バンド位です。これは、1番からX,Yまでの染色体全てのバンドの数がということです。ヒトのDNAは32億塩基対(3.2×10の8乗)ですので、ザッというと1つのバンドは(600バンドとして)500万塩基対になります。アレイ検査で世界で最も多いので270万ヶ所のDNAを調べますが、通常は数十万ヶ所と思います。60万ヶ所とすると、600,000 / 600 =1,000でアレイ検査は通常のG分染と比べて約1,000程度精度が高いことが分ります。

≪Gバンドについて(参考ページ)≫
【染色体検査とマイクロアレイ検査の違いについて】
マイクロアレイ検査はDNAレベルで判定するかなり精度の高い検査方法であり、染色体検査(Gバンド分染法)は「確定診断では無い」がアレイ検査は「確定診断に近い」検査法だそうです。
≪近藤先生の解説≫
アレイ検査は、場所(どの染色体のどの領域に位置している)が分っているDNAが何コピー(3コピーであれば重複、2コピーなら正常、1コピーなら欠失)かが明確に分ります。確定診断に近いですね。始めからアレイ検査をすれば明確かも知れませんが(または、Gバンド分染と組み合わせて)、アレイ検査は保険が効きませんので実費(10万円)かかるのかネックと思います。
≪幸と近藤先生のQ&A≫
Q3.アレイ検査はGバンド分染法と違い、例えば専用計測器で全自動で分析&結果出力するような方法でしょうか?信頼性が高いから確定診断と言えるのでしょうか?
A3.アレイ検査は、量が一定(非常に微細)のDNAをプラパラートに数十万並べています。これに調べるヒトのDNAを乗せて結合させます。結合すると色素が発色するようになり、しかも、調べるヒトのDNAの過不足で色も変るように設定されています。これの波長を機械で測定しています。それにより、3コピーとか1コピーとかを判定します。ただ、場所によっては、ヒトでは必ず過不足があります。これが正常でもみられるものを、CNV(コピーナンバーバリエーション)と言うのですが、この判定が難しいです。世界中で、これを集積しています。染色体の変化があるような幅広く似た部位が続けて1コピーとか3コピーとかあると明白ですが、その範囲が狭いと臨床症状との関連性が難しい場合があります。
≪マイクロアレイ検査について(参考ページ)≫
≪幸(素人)の理解(間違った認識かもしれません)≫
保険適用の染色体検査は広く一般的な検査方法であるが、人の作業(顕微鏡)で染色体異常を探し、何番染色体か?を決める方法である為、間違いが起きてもおかしく無い方法。
これまでは、その診断が全てであった(アレイ検査は保険適用外=10万円の実費)ため、その診断を確認する方法が無かった。
臨床症状と染色体の異常個所の比較をするには、信頼性の高いアレイ検査が必須であるということ。
ご質問があれば受付いたします(場合によっては近藤先生に確認をとります)ので、
どうぞ宜しくお願いいたします。

 

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